一過性全健忘をご存知ですか?
最近、一時的に記憶が無いとの訴えで受診する患者さんが増えています。
当院で行った頭部MRI検査や脳波の検査では問題なく、一過性全健忘と診断しました。
一過性全健忘とは、数時間の記憶が全くなくなる病態で、50~70歳の人が罹りやすいです。
具体的には、突然、新しい記憶ができなくなり、その後の行動や出来事が覚えられなくなります。不安になり、同じ質問や言い回しを繰り返します。周りの人の認識は通常できます。この記憶障害の持続の大半は数時間で、24時間以内には回復します。
画像検査、脳波、心電図、血液検査等の検査では特に異常は認めません。
再発することは少なく経過観察となる場合が多いですが、てんかんや一過性の血管障害が原因の時もあり、このような症状を認めたら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。